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核兵器禁止条約

[2017-08-20]

核兵器禁止条約

核兵器の存在を根底から否定する核兵器禁止条約(核禁条約)が7月、国連で採択された。9月20日から署名手続きが始まる。しかし、米国をはじめとする核保有国や、「核の傘」の下にある日本などの国々は、同条約に参加しない見通しである。同条約の賛否を巡り、核保有国などと非保有国との溝が深まる中、公明党は双方の対話を進める橋渡し役を担うよう、日本政府に求めている。

“絶対悪”として違法化
保有国 「安全保障の現実無視」と批判

核禁条約は、核兵器の使用、開発、実験、製造、保有、移譲(核兵器の所有や管理の権限を他国に渡すこと)などを幅広く禁止する初めての条約である【条約の骨子参照】。

広島、長崎の被爆者が長年、壮絶な被爆体験を語りながら、核廃絶を求めてきたことを踏まえ、「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみに留意する」と前文で明記したことも画期的だ。

特に、核禁条約では「全人類の安全保障」という言葉を用いて、核兵器がそれを揺るがす脅威であるとの考え方を前面に出した。

核兵器が使われれば、人類の生存に不可欠な環境は破壊され、経済活動もできなくなり、食料を育むための土壌は失われ、放射能による健康被害に長く苦しむ壊滅的な事態が生じる。

そのため、他国による攻撃などから自国を守る国家の安全保障上、核兵器を“必要悪”とする考え方から、核禁条約は距離を置く。

核禁条約の成立を強く推進してきた国の一つであるマレーシア国連政府代表部のイクラム大使が指摘しているように、“絶対悪”の「烙印を押す」(stigmatize)ことで核兵器を違法化し、核廃絶への動きを加速させることが条約の主な目的となる。

核禁条約のこうした考え方を色濃く反映しているのが、核兵器を使うぞと「威嚇」することも禁じた条文である。これにより、核抑止を明確に否定し、いかなる場合でも、核兵器を必要とする考え方を認めない姿勢が鮮明になっている。

核兵器禁止条約採択を巡る投票結果一方で、北朝鮮は核実験と核兵器の運搬手段となる弾道ミサイルの発射実験を繰り返し、今や、米国本土の全域を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験にも成功したとさえ示唆している。

米英仏ロ中の核保有5カ国は「安全保障環境の現実を無視している」とし、核禁条約の交渉会議への不参加を表明。米国の同盟国であり、「核の傘」で守られている日本や韓国をはじめ、カナダやドイツなど北大西洋条約機構(NATO)加盟国も不参加を決めた。

核禁条約は最終的に賛成122カ国、反対1(NATO加盟国で唯一交渉に参加したオランダ)、棄権1(シンガポール)で採択された【投票結果参照】。来月から署名式が始まり、批准国が50カ国に達した後、90日の経過で発効する。

非参加国の加盟を促す
軍縮に不可欠な取り組みも明記

核軍縮を実現するには、(1)核保有国が条約の義務に従い、核弾頭やミサイルの廃棄などを本当に実施しているのか確認できる「検証可能性」(2)いったん核軍縮のための措置を進めたら、後戻りして再軍備に走らないようにする「不可逆性」(3)核保有国の核戦力に関する情報の公開などの「透明性」―の三つを確保することが重要であるとされる。

核禁条約にも、これらが明記されているが、結局のところ、核保有国が動かなければ、核軍縮は一歩も進まないという事態になることが懸念される。

核禁条約では、核保有国が参加する道筋として、核兵器を放棄してから加わるか、核兵器を放棄していない場合であっても、条約に参加した後で廃棄計画を提出する手順の双方を示している。

非締約国にはオブザーバー(議決権のない参加国)として、2年に1回開かれる締約国会議や、条約発効から5年後に開催される再検討会議への参加を認める規定も設けた。

日本が橋渡しの役割を
公明、「賢人会議」を後押し

公明党の山口那津男代表は、核禁条約について、「国際規範として、核兵器はまかりならぬということが確立しつつある重要な出来事だ」と評価。

その上で、「核保有国などと条約を採択した国との溝が深まり、対話がなされず、核軍縮のできない状況があってはならない」とし、唯一の被爆国である日本が、核保有国と非保有国の対話を進める橋渡し役となるよう、政府に求めている。

具体的には、核保有・非保有国双方の有識者による核軍縮に関する「賢人会議」の取り組みを、公明党は後押ししていく。

同会議は、岸田文雄前外相により設立されたもので、7月23日にメンバーが発表された。核保有、非保有国の対立を緩和し、国際社会が協力して核軍縮を確実に進めるための具体的な方策を探る。

国内外の計16人で構成され、座長に白石隆前政策研究大学院大学長が就く。この他、日本人は白石氏を含め、広島市の外郭団体「広島平和文化センター」の小溝泰義理事長、被爆者で日赤長崎原爆病院名誉院長の朝長万左男氏ら計6人。

国外からは元米核安全保障局長のリントン・ブルックス氏をはじめ、ロシアや中国など核保有国から5人、ドイツなど非保有国から5人の計10人。核禁条約に賛成したエジプトやニュージーランドの識者も招く。

核兵器禁止条約

核兵器の存在を根底から否定する核兵器禁止条約(核禁条約)が7月、国連で採択された。9月20日から署名手続きが始まる。しかし、米国をはじめとする核保有国や、「核の傘」の下にある日本などの国々は、同条約に参加しない見通しである。同条約の賛否を巡り、核保有国などと非保有国との溝が深まる中、公明党は双方の対話を進める橋渡し役を担うよう、日本政府に求めている。

“絶対悪”として違法化
保有国 「安全保障の現実無視」と批判

核禁条約は、核兵器の使用、開発、実験、製造、保有、移譲(核兵器の所有や管理の権限を他国に渡すこと)などを幅広く禁止する初めての条約である【条約の骨子参照】。

広島、長崎の被爆者が長年、壮絶な被爆体験を語りながら、核廃絶を求めてきたことを踏まえ、「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみに留意する」と前文で明記したことも画期的だ。

特に、核禁条約では「全人類の安全保障」という言葉を用いて、核兵器がそれを揺るがす脅威であるとの考え方を前面に出した。

核兵器が使われれば、人類の生存に不可欠な環境は破壊され、経済活動もできなくなり、食料を育むための土壌は失われ、放射能による健康被害に長く苦しむ壊滅的な事態が生じる。

そのため、他国による攻撃などから自国を守る国家の安全保障上、核兵器を“必要悪”とする考え方から、核禁条約は距離を置く。

核禁条約の成立を強く推進してきた国の一つであるマレーシア国連政府代表部のイクラム大使が指摘しているように、“絶対悪”の「烙印を押す」(stigmatize)ことで核兵器を違法化し、核廃絶への動きを加速させることが条約の主な目的となる。

核禁条約のこうした考え方を色濃く反映しているのが、核兵器を使うぞと「威嚇」することも禁じた条文である。これにより、核抑止を明確に否定し、いかなる場合でも、核兵器を必要とする考え方を認めない姿勢が鮮明になっている。

核兵器禁止条約採択を巡る投票結果一方で、北朝鮮は核実験と核兵器の運搬手段となる弾道ミサイルの発射実験を繰り返し、今や、米国本土の全域を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験にも成功したとさえ示唆している。

米英仏ロ中の核保有5カ国は「安全保障環境の現実を無視している」とし、核禁条約の交渉会議への不参加を表明。米国の同盟国であり、「核の傘」で守られている日本や韓国をはじめ、カナダやドイツなど北大西洋条約機構(NATO)加盟国も不参加を決めた。

核禁条約は最終的に賛成122カ国、反対1(NATO加盟国で唯一交渉に参加したオランダ)、棄権1(シンガポール)で採択された【投票結果参照】。来月から署名式が始まり、批准国が50カ国に達した後、90日の経過で発効する。

非参加国の加盟を促す
軍縮に不可欠な取り組みも明記

核軍縮を実現するには、(1)核保有国が条約の義務に従い、核弾頭やミサイルの廃棄などを本当に実施しているのか確認できる「検証可能性」(2)いったん核軍縮のための措置を進めたら、後戻りして再軍備に走らないようにする「不可逆性」(3)核保有国の核戦力に関する情報の公開などの「透明性」―の三つを確保することが重要であるとされる。

核禁条約にも、これらが明記されているが、結局のところ、核保有国が動かなければ、核軍縮は一歩も進まないという事態になることが懸念される。

核禁条約では、核保有国が参加する道筋として、核兵器を放棄してから加わるか、核兵器を放棄していない場合であっても、条約に参加した後で廃棄計画を提出する手順の双方を示している。

非締約国にはオブザーバー(議決権のない参加国)として、2年に1回開かれる締約国会議や、条約発効から5年後に開催される再検討会議への参加を認める規定も設けた。

日本が橋渡しの役割を
公明、「賢人会議」を後押し

公明党の山口那津男代表は、核禁条約について、「国際規範として、核兵器はまかりならぬということが確立しつつある重要な出来事だ」と評価。

その上で、「核保有国などと条約を採択した国との溝が深まり、対話がなされず、核軍縮のできない状況があってはならない」とし、唯一の被爆国である日本が、核保有国と非保有国の対話を進める橋渡し役となるよう、政府に求めている。

具体的には、核保有・非保有国双方の有識者による核軍縮に関する「賢人会議」の取り組みを、公明党は後押ししていく。

同会議は、岸田文雄前外相により設立されたもので、7月23日にメンバーが発表された。核保有、非保有国の対立を緩和し、国際社会が協力して核軍縮を確実に進めるための具体的な方策を探る。

国内外の計16人で構成され、座長に白石隆前政策研究大学院大学長が就く。この他、日本人は白石氏を含め、広島市の外郭団体「広島平和文化センター」の小溝泰義理事長、被爆者で日赤長崎原爆病院名誉院長の朝長万左男氏ら計6人。

国外からは元米核安全保障局長のリントン・ブルックス氏をはじめ、ロシアや中国など核保有国から5人、ドイツなど非保有国から5人の計10人。核禁条約に賛成したエジプトやニュージーランドの識者も招く。





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